空き家の固定資産税が「6倍」になる条件とは?2023年法改正で対象が広がりました
公開 2026/8/23|執筆・監修:株式会社クレインズ(東京都知事免許(1)第107292号)
結論:「勧告」を受けた時点で、翌年度から土地の税額が上がります
空き家の固定資産税が上がるのは、「古いから」でも「空き家だから」でもありません。市から空家等対策特別措置法にもとづく「勧告」を受けたときに、その敷地が「住宅用地の特例」から外れるためです。
| 区分 | 固定資産税の課税標準 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(200㎡以下の部分) | 評価額の 1/6 | 1/3 |
| 一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 評価額の 1/3 | 2/3 |
| 特例が外れた土地 | 評価額そのまま | そのまま |
200㎡以下の土地なら、特例が外れると課税標準が6倍になる——これが「6倍」の正体です。建物分の税額は変わらず、土地分だけが上がります。
2023年12月の法改正で「管理不全空家」も対象に
改正前は、倒壊のおそれがあるなど状態のひどい「特定空家等」に勧告が出た場合だけが対象でした。2023年12月13日に施行された改正空家法では、その手前の段階である「管理不全空家等」——放置すれば特定空家になるおそれがある空き家——にも市が指導・勧告できるようになり、勧告を受けると同じく特例が外れます。
管理不全と判断される目安は、たとえば次のような状態です。
- 屋根や外壁の一部が落ちそう、窓ガラスが割れたまま
- 立木が道路や隣地にはみ出している、雑草が生い茂っている
- ごみが放置され、害虫・害獣が発生している
- 門扉が壊れ、誰でも入れる状態になっている
「倒壊しそう」でなくても、庭木の越境や雑草だけで指導の対象になり得る点が、改正前との大きな違いです。
野田市・佐倉市の運用
野田市は、国の法律より早い2013年(平成25年)に独自の空き家条例を施行した自治体で、2024年3月の改正で法律上の区分に加えて市独自の「準管理不全空家等」を新設しました。法律の基準に達する前から市が指導できる仕組みになっており、市のホームページにも「勧告を受けた特定空家等の敷地は住宅用地特例の対象から除外」と明記されています。
佐倉市には独自条例はなく、空家法と「佐倉市空家等対策計画」(2024年3月策定)で運用しています。計画の中で「管理不全空家等の勧告により住宅用地特例の解除が可能になった」と触れており、市への空き家相談は年180件(2022年度)、その多くが立木・雑草の繁茂に関するものです。
どちらの市も、いきなり勧告が来るわけではなく、通常は助言・指導 → 勧告の順に進みます。指導の段階で対応すれば特例は維持されます。
通知が来たらどうすればいい?
- 放置しない。 指導の段階で市に連絡し、対応の意思を伝えるだけでも勧告までの時間が変わります
- 最低限の管理をする。 庭木の剪定・草刈り・施錠で、管理不全の要件の多くは解消できます
- 手放すかどうかを決める。 管理し続ける費用(年数万円〜)と固定資産税を払い続けるより、売却した方が負担が軽いことがほとんどです
「解体して更地にすれば安心」と考える方もいますが、更地にすると住宅用地特例は確実に外れます。また市街化調整区域では建物を建て直せなくなり、土地の価値が下がることもあります。解体は最後の手段にして、まずは現況のままの買取価格を確認することをお勧めします。
当社は、市から通知が届いている空き家も、庭木が伸び放題の家も、そのままの状態で買い取ります。野田市・佐倉市をはじめ千葉県内の物件は、対応エリアからお住まいの市のページをご覧ください。
※本記事は2026年8月時点の法令・制度にもとづいています。税務・法務の個別判断は税理士・司法書士等にご確認ください。